【 ニューファンドランド島が西欧人に発見されるまでの時期 】 この時期の記録はほとんど残っていませんので、あくまでも推測の域を脱しません。 一般的には、ピレネー山脈西側のクルド系漁民が連れてきた、 白又はクリーム系のピレネー犬の子孫と言う説が有力です。 私個人としては、この犬の特徴から次の様に考えます。 西方よりインディアンと共にベーリング海峡を渡り渡来した犬達(マスチーフ系、スピッツ系)と 東方より北欧人(バイキング?)やイングランド漁民により大西洋を 渡り持ち込まれた犬達(ウオータースパニエル、黒いラブらドール)による交雑を 地元インディアンが飼っていたのではないのでしょうか。 私はピレネーズ犬種の影響は極めて少ないように思います。 なぜなら今日この犬種に狼爪はほとんどといっていいほど出ないのです。 【 16世紀以降 】 英国の植民地になってからは、いくらかの記録が残っています。 当初、黒いものと、白&黒は別の犬種と考えられていました。 1775年、英国人 George Cartwright により、 輸出地の名前からニューファンドランドと名付けられました。 1779年、英国人博物学者により下記のサイズと特徴の記録が残されています。
1840年に、プレートに描かれた 「The Original Breed」 は黒色で 口吻・ほほ・足はブラウンで、尾には白とグレーのさし毛が有りました。 口吻も長く、今のそれとは大きく違っています。 【 他犬種との交雑に付いて 】 一時期、ラブラドール系の血を入れたと言う記録が残っています。 極めて短期間ですがセントバーナードの血も入れられました。 これらを除いてはほとんどなく、あくまでも先輩ブリーダーの努力により 今日のモダンタイプの作出を可能にしました。 【 モダンタイプの出現 】 旧タイプとは異なり、モダンタイプは、口吻が深く(短くではない) 頭部が大きくなり、スタイフルのアンギュレーションが大きくなりました。 改良には先人達の大きな努力と約100年も年月がついやされました。 全犬種にわたりドックショーが改良に果たした役割は大です(特に初期においては) 1860年、バーミンガムドックショーに6匹のエントリーが有り、 カナダよりの輸入犬の牝が1席を取ったとあります。 それから2年後には41匹のエントリーが有り、当時いかに注目を得たかがうかがえます。 19世紀後半から20世紀初頭にかけ、下記の犬達を筆頭に 数多くの名犬がドックショーに繁殖にと活躍しました。 ・ Nelson I (小型ですが良い型)/////// ・ Leo(体重約67キロ、 体高約80センチ) ・ The Black Prince /////////////// ・ King Stuar/////////////////////// ・ Siki/////////////////////////等々 中でもSikiについては、今日カナダ・アメリカでこの犬の血を 受け継いでいない犬はいないと言っても過言でありません。 アメリカには、Sikiの直子が3匹が輸入され、その中の注目すべき2匹 「Ch. Harlingen Neptune」 と 「Ch. Seafarer」は、 Waseeka Kennel が所有し数多くの名犬を作出し、 遂には名犬「Ch.Seaward's Blackbeard」にいたりました。 カナダでは、20世紀初頭に「C.Ch.Baron」と、 「C.Ch Shelton Cabin Boy」と言う名犬が作出されました。 最後に、ニューファンドランドが水難救助犬として有名ならしめたのは、 Scannon(1804〜1809)の功績が大です。 |
(内容に付きましては多少簡略化しています) 【 一般外貌 】 見た目に力と活動力がある印象を与える必要がある。 ローリングしてもさしつかえないとされる。 しかし、弱いないし凹背、弛んだ腰部、カウフォックは決定的な欠点である。 【 頭部 】 幅広く、どっしりと大きく、後頭部はよく発達し、はっきりとしたストップはない。 【 口吻 】 口吻は短く、輪郭がすっきりし、形は幾分直角で、短く細い毛で被われている。 【 目 】 小さく、ダークブラウンで、深めにつき、瞬膜は見せない。 広く離れて付く。 【 耳 】 小さく後ろにつき、頭蓋に対し直角で頭にぴったりくっつき、短い毛で被われている。 【 胴 】 肋骨は十分に発達し。首は強く。背は幅広い。腰部は強く、筋肉たくましい。 【 胸 】 深く、かなり幅広く、毛で被われている。(飾毛になるほどではない) 【 尾 】 程よい長さ、かなり太く、長い毛で被われている(フラッグ尾ではない)。 先が少しカーブして下へ垂れる。活動中は少しもたげて保持する。 背に巻き上げた尾は特に好ましくない。 【 前肢 】 まっすぐで、筋肉でおおわれている。 肱は十分に低く、下まで飾り毛に被われている。 【 後肢 】 動きはきわめて自由で、少し飾り毛が有る。 狼爪は好ましくない。 【 後躯 】 非常に強健でなければならない。 【 足 】 大きく、よい形で、広がったり、外向は好ましくない。 【 骨 】 骨太であるが、重苦しく、不活発という感じをあたえてはいけない。 【 体高と体重 】 均整が保たれている限り、大きさと体重の重いのが非常に望ましい。 平均体高はオス140〜150ポンド、メス110〜120ポンド。 平均体重はオス28インチ、メス26インチ。 【 被毛】 ねて生え密で、手触りはあらく、脂肪性で、水を弾くことができなければならない。 【毛色】 ++ 漆黒色 ++ 胸や足のさきにわずかに青銅色じみているものや、白のぶちのあるものは差し支えない。 ++ 黒以外のもの ++ 全て黒にじゅんじる。 ほとんど何色でもよい。(アメリカ) 一番推奨されるのは、白&黒(ランドシーア)又は青銅色。 ++ ランドシーアで考慮すべき模様 ++ ・ 細いブレイズの有る黒い頭部 ::::::::::: ・ 模様の一様に分布している鞍部::::: ・ 黒い臀部で尾にまで及んでいるもの |